東大野球部というトコロ  of ライトスタッフ 9歳までの知能開発 難関私立中学受験 神戸市灘区 2歳児~小学3年生

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コラム3

東大野球部というトコロ

平成12年3月発表



東大野球部。
語られる時には何故か面白半分、苦笑まじりに扱われますが、ホントはどんなところなんでしょう?


 まず、私が新人投手として実際にこなした毎日のスケジュールをご紹介しましょう。

8:00 集合
8:30 グラウンド整備
9:00 二軍にて自分の練習
13:00 一軍練習の手伝い

 監督は基本的に一軍の練習しか見に来ません。私たち二軍の選手にとって、投手なら打撃練習での登板、野手なら練習中に人が足りなくなるポジションの穴埋めでアピールして、認められたら一軍昇格のチャンスが生まれるのです。

16:00 投手陣は長距離走へ

 上野公園界隈を一周、一時間以上は走りますのでどれくらいの距離だったでしょう?

17:30 グラウンド整備
19:00 筋力トレーニング
20:00 プールトレーニング

 基本的には授業は練習が休みの日にしか出られませんが、理系の学生で、どうしても外れられない実験などで平日はレギュラーが一人二人欠けるため、土日は必ず練習があります。(シーズン中は必ず試合があります)そこで、週に一日平日が休みになるのですが、朝に連絡網で「今日は雨だから今日が休み。明日の休みは取消。」なんてのが回ってきたりしますので、私的なスケジュールなど粉々です。

部員は約60名。うち一年生が30名。投手陣も、二年生以上が6、7名なのに一年生だけで13名いました。この訳は一年生の終わりに知ることになります。

 東京六大学野球の中で東京大学は苦戦を強いられているわけですが、このリーグを見渡してみますと、私の同期にあたる選手としては、川村(立教⇒横浜ベイスターズ)、織田(早稲田⇒巨人)、稲葉(法政⇒ヤクルト)なんてのがいますし、私の一つ下は捕手の当たり年で、高木(慶応⇒西武)、荒井(早稲田⇒日本ハム)、そして阪神野村監督の息子「カツノリ(明治)」がいます。巨人の仁志や高橋、三沢、中日の川上などもほぼ同じ時期の六大学の選手です。
 東京大学の選手としても、私の二つ上の今西主将は巨人の指命挨拶を断って東大に進学、一つ上の肥田主将は神奈川桐蔭学園で甲子園出場、そして私の代では濤岡主将が日米大学野球の候補合宿の呼ばれたほか、四番打者片山が中日ドラゴンズから指命を受けるのではないかと、報道されていました。

 東大以外の5大学はスポーツ推薦で選手を獲得しているのに対し、東大の選手は一般受験生と同じ試験を受けなければいけません。しかし、みな「野球をやるためだけに」受験をくぐりぬけてきたわけですので、青春のすべてを野球に賭けられるのです。もっとも、他大学でも、前述の横浜の川村投手は一般受験ですし、今年ロッテから横浜に移籍した小宮山投手は推薦が得られず、二浪して早稲田に一般入試で入っています。阪神の薮投手は早稲田の推薦が得られず、他の大学リーグへ進みました。

 また、合理的な練習方法も見逃せません。私がいたころの平野監督はトレーニング理論の権威で、福岡ダイエーホークスの練習メニュ-を作っていた方です。例えば10kgのバーベルを30回上げ下げするのと、 30kgのバーベルを10回上げ下げするのでは筋肉のつき方が違いますし、心肺機能を最大限高めるためには、100mを20秒で行って、 40秒で帰るのを10本やる、というようにポジション毎、各選手のウイークポイント毎にメニューが決まっていました。これに、食事の採り方を加えて科学的に身体を作っていくわけです。
 そして、他大学の選手を徹底的にビデオで分析してクセを探す、などというのは当然として、「ずるい野球」を常に考えていました。「この場面で一番セオリーの裏をかける作戦は何だろう。相手が一番いやがるのはどんな作戦だろう。」私は今でも現役の野球選手として月に2試合公式戦に出ていますが、直球を投げるときにわざとグラブを覗きこんで握りを確認して、珍しい変化球を投げるのではないかと思わせたり、相手野手の油断をついてセフティーバントをしたり、と東大で学んだ野球が身についています。

 さて、スポーツ推薦を行わない大学が、甲子園出場者をズラリと並べた相手と戦うわけですから、選手の起用の規準は実力のみです。私の一つ上に、東京都の表彰選手にまでなったUさんという捕手がいましたが、その一つ上に素晴らしい捕手がいて控えに甘んじていて、さあこれからと言うときに私たちの代の北村捕手が3年生でレギュラーを奪ってしまいました。 Uさんは自分のすぐ上とすぐ下に素晴らしい選手がいたため、とうとう卒業まで代打として数試合に出ただけでした。

 私はというと、一年生の終わりに全一年生が集められた中で、「クビ」を言い渡されました。「おまえたちがグラウンドを使う時間でもっとレギュラーが練習すれば、チームは勝てる。」この時初めて、どうして上の学年はそれぞれ10人ほどしか選手がいないのか、投手も2、3人ずつしかいないのか、謎が解けたわけです。ベンチ入りは25名、うち投手は約5名。そのために一年生のみ一年間だけ30名ほど使ってみて、あとは各学年10名ほどいれば良いわけです。私の東大野球部での生活はこうして一年で終わりましたが、同期には四年生まで頑張ったけれど結局一試合も出られなかった選手もいます。

 今年、日本ハムに遠藤良平投手が東大から入団しました。神戸に帰って来てしまって三年になりますので遠藤投手の投球を生で見るチャンスはありませんでしたが、以前ロッテに入った小林至さんが結局大学通算で1勝もできなかったのに対し、彼は8勝を挙げています。敵がすごい上に味方の打線が貧弱な中でこの成績を挙げたのですから、何とか頑張ってもらいたいと応援しています。

 東大野球部に対するイメージ、少しは変わりましたでしょうか?「俺たちから野球を取ったら何も残らない。」そんな男たちの集団なんです。興味の湧いた方は公式ホームページをどうぞ。(www.tokyo-bbc.net)


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